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メーカー | CASIO |
型名 | SL-880 | |
種別 | 一般電卓(一般電卓|ゲーム電卓) | |
発売開始 | 2018年03月23日 | |
製造終了 | - | |
寸法 |
奥行 118.5mm × 幅 70mm × 厚さ 8.5mm(公表値。手帳型カバー未装着時)
※公表値の厚さは、キー厚みを入れていない。キーの厚みを入れると約11mm |
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重量 |
60g(公表値)
58g(電池を含む実測値。手帳型カバー含まず) |
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入力方式 | 標準方式 | |
画面 |
白黒液晶 7セグメント10桁+負号+状態インジケーター15個
※未使用の GT も含めると状態インジケータは16個ある。他機種との部品共通化のためだろう。 |
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CPU | 不明 | |
RAM | 不明 | |
ROM/Flash | 不明 | |
電源 | CR2016 × 1 +太陽電池 | |
プログラミング言語 | なし | |
公式ページ | SL-880 | ゲーム電卓 | 一般電卓 | 電卓 | CASIO | |
説明書URL | 2018年3月30日現在、説明書のダウンロードは不可能 | |
著者の購入年 | 2018年3月23日 | |
著者の購入価格(購入店) | 2,130円(税込)(ヨドバシ.com)ポイント10%還元あり |
本機 SL-880 は、1980年8月に発売されたゲーム電卓 MG-880 の後継機種です。
約38年ぶりに復活したと言えます。
ゲーム(デジタルインベーダー)の内容は MG-880 と完全に一緒です。
ただし、電卓としては現代に合わせた改良がされています。
その反面、メロディーモード(音楽演奏)は廃止となっています。
小型なのでポケットに簡単に入ります。
以上のように電卓としては、旧機種と比べてかなり別物と言えます。
ゲーム内容は忠実に再現されています。
本機 CASIO SL-880 の電卓機能は、今時の電卓としては平凡です。
2,130円もするのに CASIO の一般電卓
MW-C20C
(911円)、
MW-C8C
(650円)、
SL-300C
(737円)よりも電卓としては低機能です(価格は
ヨドバシ.com
より。2018年3月30日現在)。これらの機種は時間計算が可能だからです(SL-300Cを除けば、GTも使える)。
ただし、本機のメモリー呼出・消去キーが [MRC] ではなくて、[MR](呼出) と [MC](消去) に分かれているところは好感が持てます。
未だに [MRC] を使っている電卓が多いからです(2018年3月30日現在)。
キーは安っぽい感じです。
キーは前面パネルから2mm以上も飛び出しているのにキーストローク(キーの上下動の長さ)は短く、クリック感も弱いものです。
ただし、本機は小型ですので、そもそもキーの打ちやすさに期待している人はいないでしょう。
本機は公式には3キーロールオーバーに対応していません。
ところが、筆者が操作したところソフトウェア的に3キーロールオーバーになっています。
しかし、3キーロールオーバーは、キーの完成度を伴って初めて意味があります。
本機のキーは完成度が高いとは言えないので、メーカーは3キーロールオーバーと呼ぶのを避けているのでしょう。
ちなみに筆者が調べたところでは、CASIO
MP-12R
,
JF-S200
,
SL-300C
,
MW-C20C
もソフトウェア的に3キーロールオーバーに対応していますが、公式には3キーロールオーバーではありません。これらもキーの完成度が3キーロールオーバーと呼ぶのに相応しくないのでしょう。
本機は手帳型カバーが付属しています。これによって本体や前面パネルを保護します。
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手帳型カバーと本体は両面テープで接続しますので、自由に脱着できません。
そのため、持ち運ばない限り、無理に接続する必要もないような気がします。
接続してしまうとゲームもやりにくくなるかもしれません。
電卓として平凡な本機の特徴はやはりゲーム機能でしょう。
ゲーム内容は旧機種 MG-880 と完全に一緒です。しかし、MG-880 は8桁表示で本機は10桁表示です。
そのため、本機でゲームをするとき、画面の左2桁が空白になっています。ここは少し違和感があるかもしれません。
単純な内容です。まずはゲーム画面を見て下さい。画面の上の ♪ は音が出る状態の意味です。
デジタルインベーダーは右からやってきます。
デジタルインベーダーがビーム砲台のすぐ右に到着してしばらくするとビーム砲台を1つ失います。
ビーム砲台を3つ失うとゲームオーバーになります。
そのため、デジタルインベーダーに反撃しないといけません。
その方法は、[.]キー(AIM)で左の照準の数字とデジタルインベーダーの数字を合わせてから[+]キー(FIRE)を押すだけです。
そうすると、照準の数字と同じ数字のインベーダーが消去されます。
デジタルインベーダーを左から順番に消す必要はありません。
どの位置にいるデジタルインベーダーでも照準の数字が合っていれば、消去可能です。
[+]キー(FIRE)を押せる回数に制限があり、30回押すとゲームオーバーになってしまいます。 そのため、照準をできるだけ外さないようにする必要があります。
照準の数字は、[.]キーを押す度に以下のように変化します(n は UFO。後述)。
0 → 1 → 2 → 3 → … → 9 → n → 0 → …
このように一方向にしか照準の数字が変化しないところが本機のゲームを難しくしています。
ゲームはステージ1から始まり、9ラウンドで構成されます。
デジタルインベーダーを16匹倒すと次のラウンドに進みます。
ステージ1の9ラウンドを制覇すると、ステージ2に進みます。
ステージ2からはデジタルインベーダーが1桁左から出現するので難易度が上がります。
ステージ2の9ラウンドを制覇すると、ステージ1に戻ります。
つまり同じことを延々と繰り返すことになります。
そのため、ゲームに特に目的はなく、ゲームオーバーになるまでにどれだけの得点を獲得できるかどうかだけのゲームとなっています。
UFO(n)は各ラウンドで消去したインベーダーの和が10の倍数になったときに出現します。
UFO(n)を1匹消すと、300点になります。
通常のデジタルインベーダーの場合、ステージ1で10点〜60点、ステージ2で20点〜100点です(右側にいるデジタルインベーダーほど高得点になる)。
単純ですが、ある程度奥深い内容とも言えます。
一方向にしか動かない照準を使って、効率よくデジタルインベーダーを消去する戦術が必要です。
さらに消去したデジタルインベーダーの合計値を10の倍数にして UFO を出現させて高得点を狙うなどの戦術も使うことができます。
このようなゲームを電卓の貧弱な表示装置で作ったことは賞賛に値します。
まさにアイデアの勝利と言えるでしょう。
しかし、本機のゲームはかなり難しいといえます。特に照準の操作が難しいのです。
一方向にしか照準の数字を動かせないので、狙った数字を通り過ぎてしまうと致命的なミスになることが多く、ゲーム状況の回復が困難になります。
キーも押しやすいとはいえないので、それも照準の操作を困難にしています。
結局のところ、照準の操作を如何に速く正確にできるかどうかがこのゲームを攻略する最大の鍵になるのです。
UFO を意識的に出すのは、筆者には困難です。
デジタルインベーダーの移動が速いので、筆者は照準を動かすので精一杯です。
10の倍数なんて考えている暇はありません。
筆者が歳をとって反射神経が衰えただけかもしれませんが。
しばらくゲームをしていると1つの疑問が生じました。
旧機種の MG-880 よりも数字が見辛いのではないか?
という疑問です。
以下のリンク先を見て下さい。SL-880 の画面が MG-880 のそれよりもかなり大きくなったことが分かります。
インベーダーゲームがまたできる! カシオ、80'sの大ヒット商品「ゲーム電卓」を復刻
https://www.gizmodo.jp/2018/03/casio-sl880-invaders.html
ところが、本機 SL-880 の方が画面が見やすいとは一概に言えないのです。
下の写真は、本機 SL-880 で数字を10桁表示したときの写真です。
本機が表示する数字は縦に長過ぎて不自然です。
さらに数字と数字の間の隙間が狭いので、数字が並ぶと見辛くなるのです。
本機は画面を上下に拡大し過ぎている感があります。
さらに8桁から10桁に増やしたので、数字1つに割り当てできる幅が狭くなったのでしょう。
旧機種の MG-880 の方が数字の縦横比が適切で数字と数字の間に十分な隙間が入っています。
それに旧機種の方が画面が狭いので、画面全体を視野に入れやすいと言えます。
おそらくは旧機種 MG-880 の画面の方がゲームはやりやすかったのではないでしょうか。
電卓としての機能は少ないのですが、平方根、メモリー、そして税抜・税込計算と最低限のことは抑えているので、普通の人ならこれで十分な人も多いでしょう。
画面表示には不満があります。 数字が縦長過ぎる上に数字と数字の間の隙間が狭くて、数字が少し読み難いのです。
ゲーム内容は旧機種 MG-880 と完全に同じなので、昔を懐かしむ人を狙った製品と言えます。
今の若い人がプレイしたらどのように思われるのかは私には分かりませんが、アイデアだけの単純なゲームが却って斬新に思えるかもしれません。
私の場合、子供のときに MG-880 の存在は知っていたのですが、家になかったのでプレイできなかったような気がします。
漫画「
ゲームセンターあらし
」にこのゲームが登場したことはよく覚えています。
そして、やっとこのゲームに巡り会えたのですが、非常に難しく感じています。
もっと若いときにやりたかった気がします。